建築材料~壁仕上げ材の種類と性能まとめ【建築学入門】
もう卒業しましたが、建築学校で学んだことをブログにまとめていこうと思います。
今回は壁仕上げ材の種類と性能のまとめです。
壁仕上げ材
壁仕上げ材に求められる性能には、使用場所にもよるが、防火性・防汚性・防カビ性の3点が挙げられる。その他にもデザイン面で部屋の雰囲気・使用用途に合った色柄・質感が要求される。
その壁仕上げ材は、工法によって2つのタイプに分けられる。
塗り仕上げを行う湿式工法のものと、壁紙を張り付けるタイプの乾式工法。
湿式工法(漆喰、珪藻土)
湿式壁仕上げ、つまり左官工事のこと(職人さんがコテを使ってペタペタ塗り込んでいく作業)特徴としては下記の点が挙げられる。
- 継ぎ目の無い、大きな壁面ができる。
- 曲面にも対応できる。
- ひび割れしやすい。
- 手作業+乾かす時間が必要なので工期が長くなる
(そのため人件費がかさんで工費も高くなりやすい) - 作業する職人の腕前によって品質に差が大きい。
(※日本の左官工事のレベルは海外に比べてすごく高いそうです)
漆喰
消石灰+砂+糊+繊維で作られる。
耐久性・防火性がある。
(おばあちゃんの家等、古い日本家屋で見られる仕上げ。最近の戸建て住宅や集合住宅ではまず見かけないですね)
珪藻土
植物プランクトンの遺骸+泥粒子で作られる。
多孔質のため、調湿度が高い。
(最近はイケアで話題になった珪藻土。足ふきマットやコースター、歯ブラシ置き等、壁仕上げ以外で見かけることのほうが多いですね。壁と言われてもピンとこなかった)
乾式工法
つまり壁紙のこと。
特徴としては
- 工期が短く施工しやすい
(湿式に対して乾かす時間がかからないのと作業スキルがそこまで要求されない) - 張り替えやすい(修繕が簡単)
- 防汚、はっ水、防火性能など付加機能を持つ製品もある。
- デザインが豊富
- 材料費・施工費が安い
ビニル壁紙
ポリ塩化ビニルに添加物を混合し、シート状にして紙を裏打ちしたもの。
長所は種類が多く、色柄が豊富なこと、安価で施工がしやすいこと、水拭きが可能で手入れがしやすいこと。短所は通気性が悪く、カビの原因になりやすいこと。
織物壁紙(布クロス)
織物、編み物、不織物などを紙で裏打ちしたもの。
長所は柔らかく、温かい感触で高級感があること。通気性、吸湿性があること。
短所は水拭きができないことと、ほつれ、継ぎ目が目立つ。
紙壁紙
洋紙や和紙にプリント加工やエンボス加工を施したもの。
長所はデザイン性があること(洋紙→豪華な柄。和紙→落ち着いた雰囲気)
短所は水回りでの使用不可なこと。
木質系壁紙
天然木スライス+紙→銘木シート
コルクスライス+紙
無機質系壁紙
ガラス繊維、金属箔
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