絶園のテンペスト・文豪ストレイドッグスから文学に興味を持ちました【きっかけは何でもいいんじゃないのー?】
一緒に引っ越してきた漫画。
一年程前に今の部屋に引っ越してきたのですが、その際に持っていた本・漫画の半分以上をブックオフに売却しました。物が多すぎるのが嫌で所有物を少なくしたかった。引っ越しすると持ち物が選抜されていきますね。
特に漫画はかさばるから大半を売ったんですが、「絶園のテンペスト」だけは全巻残して、一緒に引っ越してきました。
ギャグマンガと違って、全巻揃ってないとストーリーや布石が分からなくなってしまい、いまいち楽しめないからっていうのもあるんですが、全て残したのは自分にとても刺さる漫画だからです。
どんな話なのー?
ある日、魔法使いの姫君が樽に詰められ島流しにされた。
ある日、ひとりの少女が唐突に殺され、犯人が捕まらず時が過ぎた。
そしてある日、復讐と魔法をめぐる、時間と空間を越えた戦いが始まった!
正気と狂気、理性と知性。自信と確信。悲劇で不合理な世の中で物語は始まる―。
数年前にアニメ化もされて、原作も3年前に完結しています。絵が超絶キレイです。絵のタッチにクセがある漫画が苦手な人でも、この漫画なら大丈夫なはず。
内容に少しだけ触れますと、ある意味では、主人公たちは始めから世界と自分に敗北しているともいえます。敗北した世界で、不合理で理不尽で残念な世の中で、それでも終わることのできない続く人生をどう生きるのか、何を選ぶのかの選択を迫られます。悲しくも救いのあるストーリーです。
登場人物が皆、違う種類の強さを持っています。一見頼りなげなキャラクターも意思の強さを見せてくれます。強さの種類は複数あることを示してくれます。
興味の幅が広がりんぐ
この漫画のタイトルにある「テンペスト」とは、シェイクスピアの戯曲のことで、「嵐」という意味です。「絶園のテンペスト」はこのシェイクスピアの戯曲を下敷きにした作品です。漫画の原作でも「テンペスト」や、同じくシェイクスピアの作品の「ハムレット」の文章が引用されています。
「テンペスト」も「ハムレット」も大まかなあらすじは知っているのですが、原作を読んだことがありません。シェイクスピアについても「ロミオとジュリエット、マクベス、リア王とか作品をいっぱい残したらしい、偉大ならしい人」ってくらいしか知りません。
TOEICが360なので英語で読むのはさすがに無理ですが、日本語版の原作を入手して読もうと考えています。そうすれば「絶園のテンペスト」をまた一味違った目線で読めて楽しめる、と思うからです。
順番が逆で、邪道なような気もしますが、世の中にある作品の大半は何か別の作品を下敷きにしていたり、影響を受けたりしているわけで。
また最近読み始めた「文豪ストレイドッグス」がきっかけで、登場するキャラクターたちの書いた作品を読んでみたくなりました。
「文豪ストレイドックス」はとても雑に解説をすると「日本や世界の文豪たちが自分の作品に基づいた異能を使って戦うバトル漫画」です。
意味分かんねーよ!!と言われそうですが、ほかにいいようがありません。
現在、アニメ放映中のようなので、見られる地域の方は見てみてはいかがでしょう?
きっかけは何でもいいんじゃないのー?
いかがわしいサイトを安全に見たいがためにITに強くなる。モテたいがためにバンドを始めて音楽に興味を持つ。遊ぶ金欲しさで始めたバイトで一生の仕事を見つける。外国人と付き合いたくて外国語を勉強する。
人が何かにハマるきっかけっていろいろありますが、きっかけそのものには優劣はないと思うんですよ。上記のようなあまり世間的に聞こえのよろしくない動機のほうが長続きしたりしますし。もちろん高尚なきっかけで長続きする人もいるでしょうが、現代では少数派だと思います。
欲望は強い動機になりますから。
さすがに「就活のネタ作り・大学時代の思い出作りのために被災地でボランティア」みたいな、それはちょっと人としてどうなのかと思うものは別の種類の話かと思われますが、何かに熱中するきっかけはなんでもいいし、たくさんあったほうがいいのではないかと思います。早く新刊でないかなー。