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「日曜日のハローワーク」の書評【こんなハロワがあったらいいな。職業ルポ】

 

特別調査員の任務

東京都の北部、飛鳥山の近くに「日曜日のハローワーク」の本部があります。(ありません)

この「日曜日のハローワーク」の特別調査員である主人公の任務は「休日を使うなどして、楽しみながら働ける職業」を紹介すること。特別調査員になるためには3か月間の地獄のような研修を乗り越えなくてはなりません。(という設定です)

この語り手である調査員が任務をこなしていく......というテイで知っているようで知らない自由業が紹介されていく本です。

※紹介されている職業と取材されている人はノンフィクションです。取材内容は事実です。

①縁日(お祭り)の露天商

多くの人が親の代から受け継いでいる仕事のようですが、素人が始めるのも不可能ではないようです。ただ、時代の流れもあり、今後は露天商一本で食べていくのはかなり難しいとのこと。

地域ごとの街商協同組合という団体がまとめ役となり、売り場所の割り当てなどの管理をしているそうです。

一番儲かるのは技術が必要なもの。どこの世界でもおんなじなんですね。

「綿菓子」が儲かるんだそうです。原価の割にはかなりの値段で売れるんだとか。

露天商の世界には業界の掟があります。「売上をごまかさない」「公儀へ訴えない(トラブルは基本的に仲間内、身内で解決)」「仲間の妻や恋人に手を出さない」の3つ。破った者は追放だそうです。

販売の最中に雨に降られたり、炎天下で一日中立っていたりしても売れないこともある。そもそも、新入りはよく売れるイイ場所はもらえない。我慢が大事なんだって。

②コンビニアイス評論家(○○評論家)

アイスマン福留さん。この方はテレビにも出演していて有名ですね。

このアイスマンさん。実は特別アイスが大好きなアイス狂、というわけではありませんでした。

新卒で入った会社を3ヵ月で退職し、職を転々。採用面接でありえないような失言も繰り返す。そんななか、なんとかIT企業にもぐりこみWEB制作の技術を身に付ける。

その技術を元手に制作会社を起業!!......したはいいものの、失敗。

クレジットカードが全部止まる、車を売却する、自宅も売却するの憂き目に。

その経験から「自分にしかできないこと、好きなことをやろう」と考えたんだそうです。

そしてたどり着いたのが、超ニッチ分野の専門家。

3ヵ月間、面白いから、と毎日コンビニのアイスを食べて、自分のサイトに感想を書きました。そしてコンビニアイス評論家としてプレスリリースを打ちます。

www.conveniice.com

これがそのサイトです。狭くて深い特化サイト。

そのプレスリリースとサイトが効き、テレビ出演や社内報での対談、業界紙の連載の仕事が来ました。

仕事と並行して、知識の穴埋めのために日本のアイスの歴史やアイスの原料・製法についても学んでいきます。

並走スタイルが一番身に付きますよね。

この他にも、「生命保険のトップセールスマン兼バンドマン」「聞き書き作家」「クラウン(パフォーマー)」「銭湯絵師」「宝くじの販売」「農家民宿主人」「フラメンコ・ダンサー」「ジオラマ作家」「屋台船の船頭」の方の取材が載っています。

収益化や参入がほぼ不可能みたいな職業もありますが、こんな素敵な仕事を紹介してくれるハロワがほしい。

読んで分かったこと

    • 特化はつよい。
    • 履けるわらじはいくつでも履くんだぜ?って姿勢もつよい。
    • 一見自由っぽい仕事も業界の暗黙のルールや法律でがっちり縛られてたりする。
    • 好きなことや興味のあることをガンガン追及していくと仕事になるかもよ!?

 

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