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もくもくパワー!

もくもく。かちゃかちゃ。注意力3万の事務屋。アイコンのような仕事はしてないよー。ブログ楽しい。

「あしたから出版社」の書評【文学に捧げた20代。就職できずに出版社を起業】

書評

 

小説家を目指し、文学に捧げた20代

吉祥寺にある出版社、夏葉社代表の島田さんは大学4年次に大学の小説コンクールで1位になりました。

そのことで文学で食べていく決心が着き、27歳まで作家を志望しアルバイト生活をしながら、小説を書いて本ばかり読んでいました。コンビニ、牛丼屋、ファストフード、レンタルビデオ屋などで働いていたそうです。フリーターですね。

どうして、そんなに読書に時間を費やしたのか?

なぜ、そこまでして本を読んだのかというと、もちろん、名作といわれている作品には他の芸術にはない感動があるからなのだが、もっと根本的なところをいえば、ぼくは、単純に「良い人間」になりたかったのであった。

(中略)だから、毎日、薬を飲むように、本を読んでいかなければもっとダメな人間になってしまう、と考えていた。たとえ、友だちと上手くいかなくても、きちんと仕事をしていなくても、真面目に本さえ読んでいれば、年をとったときには立派な成熟した人間になっている、とこころの底から信じていた。(p44,45)

分かる。

ものすごく分かる。

私も、読み切った本が多くなればその分、視野と知識が広がり、なんだか賢くなったような気がしてます。少しずつ経験値が溜まっていき、レベルが上がっていくような気がする(気のせいですね。ゲーム脳なのかな)

もっと読書をしなきゃ、まだまだ読んでない本がたくさんあるのに、という気にもなります。特に図書館に行くと思いますね。ずらっとならんでいる本を見ると自分の知らない世界の広さが分かります。

転職できず、起業を決意

27歳以降は、正社員や契約社員の仕事をいくつかこなしていましたが、なかなか長続きはしなかったようで。アルバイトばかりやっていた経歴が響いたのか31歳の転職活動では笑うしかないぐらいに、書類でガンガン落とされてしまいます。

8ヵ月で50社程、不採用になったそうです。うわあ。

その後、お父さんから200万円を借り、自分の貯金からも200万円を使い、夏葉社を起業します。

とても生きにくい世の中だと思う。

どうしてそうなったのかは分からないが、ずっと、生きにくいなあ、と思っている。

特に僕のように若いころにちゃんと働いてこなかった人間にとって、社会は全然やさしくない。「反省しました。もう馬鹿なことはやりません」と謝っても、許してくれない。

あなたが好きでやってきたんでしょ?責任取りなさいよ。

ずっとそういわれ続ける。

すくなくとも、そういわれ続けている気がする。

 (中略)一度レールから外れてしまうと、社会は、まったくといっていいほど、僕のことを信用してくれないのだった。

これも分かるなあ。仕事の能力や性格よりも、まずは「履歴書(経歴)がキレイかどうか」が問われるんですよね。

履歴書がピカピカでも仕事が全然できない人だっているのに、とか言っても聞いてはもらえません。だって会社は信用第一なんだもの。

世知辛いな。

出版社の仕事を全部一人で。

 起業した当時、島田さんには出版の実績がなかったためなかなか仕事がきませんでした。知り合いの編集者さんのご厚意で、原稿の編集の仕事やインタビューのテープの書き起こしの仕事を回してもらって経験を積んでいったそうです。原稿の訂正記号やテープ起こしのコツもやりながら学んでいきました。

このお世話になった編集者さんには、夏葉社で新しい本を作るたびに届けに行っているそうです。恩返しの気持ちは大切ですね。

一人しかいない出版社ですから、編集も、営業も、経理も、在庫管理も、事務も全部島田さんも仕事です。

会社が軌道に乗るまでは、経費を自分の財布から出して負担したり、本屋さんに一軒一軒出向いて、営業周りをしたり、とドタバタしていた様子が描かれています。

文学が、本が、ほんとに大好きなんだなあというのがにじみ出てる文章で綴られています。私の文章ではお伝えできないのが無念です。本好きによる本好きのための本です。

 

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