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【書評】「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」【ガスマスクが必要な時は生協へ】

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2浪、3浪くらいは当たり前で、ある意味では医学部のような難関校であり、それでいて医学部とは違い将来の保証など何もない厳しくもカオスな芸大の世界。

[目次]

 二宮敦人著「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」(新潮社)

著者の奥さんが彫刻を学ぶために在籍していて、奥さんの案内のもと、大半の人には縁もゆかりもない東京藝大の実態の潜入レポートです。

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私は子供の頃、母親の趣味で無理矢理ピアノを習わされていた時期があって、なんとなく音楽の世界に引け目を感じているところがあるのですが(今では全く弾くことができません)「芸術に人生を賭けている大学生はどんな生活を送っているんだろう?」とタイトルに惹かれて読みました。

実はとても珍しいシステムの学校

東京藝大は言わずと知れた音楽と美術の大学。上野にある国立大学です。

上野のキャンパスは二つの建物が向かい合って並んでいます。音校と美校です。

こういう学校のことには疎くて知らなかったけど、音楽と美術のそれぞれの学科が同じ大学にある、というのは実は珍しいこと。どちらかの系統の学科しか設置してないのがほとんどなんだそう。

音楽学生と美術学生が同じキャンパスで学ぶことで、お互いに影響を与えることができて、それも在学中に得られる財産なんだとか。

たとえば音校の人が出すCDのジャケットを美校の人がデザインしたり。一緒にアートイベントをやったり。学祭で共同制作をしたり。

一度社会に出ると異質な人と関わる機会は一気に減りますからね。

そう考えると学部ごとにキャンパスが分かれているような大学ってなんだかなって感じがします。私の母校のことですが(笑)

ガスマスクが必要な時は生協へ

東京藝大の生協ではガスマスクが売っているそうです。

なんでだと思います?

防衛大学校でもあるまいし、化学防護の訓練でしょうか。

毒ガスを発生させるヤバい人がいるんでしょうか。

芸術は爆発らしいですもんね。爆発するのかな。危ないことしちゃう人もいるのかな。

 

........そんな訳はなく、正解は彫刻科などの学生が樹脂加工の授業を受ける際に使うんだそうです。作業の時に有毒ガスが発生するから必要なんだと。

ガスマスクが必要になった際は上野の東京藝大に行かれてはいかがでしょう。

 そんな最高峰の芸術を学んだ大学生たちの進路は?

 「進学」と「不明」が、8割を占める。それが藝大生の進路なのだ。

「何年かに一度、天才が出ればいい。他の人はその天才の礎。ここはそういう大学なんです」入学時、柳澤さんは学長からそう言われたという。

p233

読む前から想像ができたところではありますが、芸術の世界は厳しいですねえ.......。

建築科やデザイン科など、就職する人が多い学科もあるみたいですが、やはり多くの学生は自分の作った作品で食べていく道を探すようです。 

現実的に考えると、いわゆる一般家庭(親が経営者とか、作家とかでない家)の人が目指すのは修羅の道ですね。現役入学は難しく、しかも卒業しても仕事に就くのは難しいとなると。

総評

 全く知らない世界を覗くことができました。

将来の保証はないけれども、大好きなものがあって、憑りつかれたようにのめり込めるものがあって、それに人生を賭けられるというのはすごい幸せなんだろうなあ、と一般人ながら想像できました。

芸大の中でも特に音校の人達は、親の意向で子供の頃から音楽を習っている人が多く、音楽や親に対して複雑な気持ちを抱きながら学んでいる人もいるとありました。

「そんなに音楽家になりたいなら自分でなればいいじゃん。子供に託すとかいつの時代なの?勝手すぎない?」と思ってしまいましたが、こういう感情になるのは自分がまだ若いからかも知れませんね。

本当に本気で嫌なら退学すればいいのだから。

あと、建築科のレポートのところは今の自分の仕事につながるところがあって参考になりました。

カオスな世界を覗いてみたい方は一読されてはどうでしょう?

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