建築環境~日本の気候と建築・クリモグラフ【建築学入門】
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通信制専門学校の授業で学んだことを復習のためにまとめていきます。
今回は「日本の気候と建築」「クリモグラフ」です。
日本の気候と建築
地域ごとに異なる気候を持つ日本では地方によって住宅の特徴や工夫が大きく異なっていた。昔ほどではないけれども、今でも地域の気候や風土に合わせた住宅が作られている。以下で挙げているのは昔ながらの地域の民家の特徴。
日本は6月から9月にかけて雨が多く、梅雨で日照不足となり、台風で建物が破損したり浸水したりする。建物が腐食し、老朽することが前提で家づくりがなされてきた。
雪が多い地域では積雪量から建物の骨組みや構造が考慮される。
北海道地方
- 急勾配で鉄板屋根の家
- 夏季は乾燥して涼しいが、冬季は寒く積雪が多い
- 保温性のため、高い密閉性、二重サッシ、風除室などが必要
- 結露と換気に注意が必要
- ペチカとストーブが中心の家
- ワンルーム式リビングで団欒
東北地方
- 曲屋造り
- 日照時間が少なく、冬季は積雪が多い
- 馬小屋を主屋の土間につなぐ
- 土間で作業をしながら馬の面倒を見る
北陸地方
- 合掌造り
- 日照は少なく、冬季は低温・多湿
- 急勾配の屋根、かやによる保湿
- 囲炉裏の暖気による暖房
- 囲炉裏型の団欒
西日本地方
- 高床式住居
- 夏季は高温、多雨。冬季は低温、乾燥
- 湿気を防ぐため高床構造や校倉造りにする
- 通風のため縁やベランダを巡らせ、開放的にする
沖縄地方
- 分棟造り(防災のために主屋と別棟に分けて台所などの付属室を建てる。火事で燃え移ることを防ぐため)
- 冬季は温暖、夏季は暑く台風が多い
- 強風を防ぐ石垣で家を囲む
クリモグラフ
クライモグラフともいう。気候図のこと。年間平均気温・湿度を示す。過ごしやすさを読み取ることができる。
使う用語まとめ
- 焦熱=カラッとしたあつさ。暑くて湿度が低い。
- 蒸暑=蒸し暑い。
- 刺寒=刺すような寒さ。
- 湿冷=じとっとした寒さ。
例)東京の夏は高温多湿(蒸暑)冬は低温少湿(刺寒)
ベルリンの夏は高温少湿(焦熱)冬は低温多湿(湿冷)
気温が同じでも湿度の関係が真逆になり、過ごしやすさに違いがでる。
- 年較差=年間の最高気温と最低気温の差。
- 日較差=一日の最高気温と最低気温の差。
- デグリーデイ(度日)=日平均気温が定められた基準湿度を超えた分をその期間に渡って合算した積算湿度。冷暖房に必要な熱量・燃料費の計算の参考に使用される。
- ヒートアイランド現象=大気汚染や建物群による風速の減少のために、都市部の最低気温が郊外に比べて高い現象のこと。
- 屋上緑化=ビル等の屋上を緑化すること。表面温度の上昇をカバーする効果がある。
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